知床釣り解説
皆さんこんにちは!知床第一ホテルライターの辰濱です。
北海道といえば、新鮮な魚介の数々が思い浮かびますが、釣り好きな方にとっては、どんな場所で、どんな魚が釣れるのか気になりますよね。
特に、自然遺産にも認定された「知床」は、「魚の宝庫」としても知られ、釣り人ならば一度は憧れたことがあるロマンの地ではないでしょうか。
今回は、知床に詳しい知床第一ホテルのライターが、ここでしか聞けない知床の釣り事情や、注意点などをご紹介したいと思います!
1、豊かな海洋環境を持つ知床半島
世界自然遺産に登録されている知床は、流氷が毎年接岸する世界最南端の地です。
知床連山を境に、西側の「斜里」と、東側の「羅臼(らうす)」の二つの地域に分かれています。
流氷の下で生育する多くの植物プランクトンは、知床の海洋の豊かな動植物相の源となっています。
また河川では、毎年夏から秋にかけて多くのサケ・マスが遡上し、ヒグマやシマフクロウなどの野生動物の餌となり、それら恵みは森林の木々にまでもたらされます。
関連記事:知床といえば鮭!!美味しい鮭やビュースポットのご紹介!!
これらの豊かな自然環境は、多種多様な魚種を引き寄せ、釣り愛好家にとっても絶好のフィールドを提供しています。
では、この最高の環境を持つ知床で、どのような釣りが楽しめるのか、次に、知床でできる釣りの種類や釣れる魚についてご紹介します。
2、知床でできる釣りの種類(位置別)
知床でできる釣りの種類は、「位置別」で見ると、主に以下のようなものがあります。
① 漁港釣り
② 川(渓流)釣り
③ 氷上釣り
④ 船上釣り
⑤ 瀬渡し(半島先端の河口部まで船で移動)
カラフトマスやサケを狙う場合は、上記の④船上釣りか、⑤の瀬渡し釣りが主になります。
次にそれぞれの特徴や、狙える魚、注意点などを解説します。
① 漁港釣り
漁港や堤防から行う釣りで、カレイ、ホッケ、コマイ、アキアジ、カラフトマスなど様々な魚が狙えます。手法はフライ・ルアー・投げ釣りなどがあります。
手軽に楽しむことができるため、家族連れや初心者にも人気です。
斜里町側では、ウトロ漁港、斜里漁港、羅臼川では、羅臼漁港、峯浜漁港、オッカバケ漁港などが有名です。
他にもいくつかの漁港があり、場所や季節、釣り方によって釣れる魚の種類はさまざまです。
釣りYouTuberのヨネスケさんが、面白い穴釣り検証をしているので、よかったら見てみてください。
【北海道釣り旅】世界遺産・知床半島で穴釣りしたら魚影が凄かった・・・#10
漁港釣りの注意点
知床の漁港でのカラフトマス・サケ釣りは、禁止地域や規制期間が設けられていることが多いです。
斜里町の場合、2024年は、以下漁港の一部区域および期間が立ち入り禁止されています。
・ウトロ漁港南護岸、衛生管理エリア:通年
・知布泊漁港:8月1日から11月20日まで
・斜里漁港防砂堤:通年
・了解の無い私有地:通年
参考:斜里海浜サケ・マス釣りのローカル・ルール(暫定版)
② 川(渓流)釣り
知床にはたくさんの河川があり、オショロコマ、ニジマス、ブラウントラウト、アメマスなどを狙えます。手法はフライ・ルアー釣りなどがあります。
特にオショロコマは、知床を代表する淡水魚で、日本では北海道のみ生息している、絶滅危惧種でもあります。見た目が美しく、渓流の宝石とも称されています。
オショロコマに禁漁期間はありませんが、見た目も生息地も似ているヤマメの方は、季節によって禁漁期間(地域による)があるため、要注意です。
間違ってヤマメを釣った場合、たとえリリースしても違法行為とされてしまうので、オショロコマは、ヤマメの禁漁期間以外の秋などに楽しむのがよさそうです。
渓流釣りの注意点
北海道の河川でのカラフトマス・サケの釣りは、すべて禁止されています。
海に近い河口部でも、近年規制が厳しくなっており、ほとんどに採捕禁止区域や期間が設けられているため、必ず事前の確認が必要です。
2024年3月時点の採捕禁止区域と禁止期間については、北海道水産局漁業管理課がまとめた「フィッシングルール2024 Rule&Manner」内のさけ・ます採捕禁止区域一覧をご参考ください。
③ 氷上釣り
冬の知床と言えば、オホーツク海が流氷で覆われることで有名ですが、そんな厳冬期の中でも楽しめる釣りがあります。
それが、凍った湖面に穴を開け釣り糸を垂らして行う「ワカサギ釣り」です。
一面の雪景色に囲まれながら、氷上で体験する釣りは、幻想的で一生の思い出になること間違いなしです!
最大15cmほどの小さなワカサギは、小さな子供や釣り初心者でも簡単に釣ることができ、家族連れにもおすすめです。
また、多くの体験プランでは、その場や近くのレストランで調理して食べることもでき、家族や友人と思い出を作るのにもぴったりでしょう。
こちらはワカサギ釣りを楽しむ、知床第一ホテルのスタッフ!
氷上釣りの注意点
厳冬期の中での氷上釣りは、海への転落事故、予期せぬ天候の変化など、生命に関わる重大な事故が起きる危険性があります。
必ずツアーガイドや専門家の指示に従い、救命胴衣や防寒着を着用する、指定以外の氷の薄い場所に近寄らないなど、定められたルールを守って安全に楽しみましょう。
その他ルールは、網走市公式サイトも参考になります。
④ 船上釣り
その名の通り、船上で行う釣りのことで、カレイ・マダラ・ホッケ・アオゾイなど様々な種類の魚を釣ることができます。
サケやカラフトマスを狙う場合は、沖に出るというより、河口付近ギリギリまで近づいて釣ることになります。
運が良ければ、船上から安全にヒグマを見ることもできるかもしれません。
船上釣りができる船会社は以下などがあります。最新の渡航状況などは、直接お問い合わせ、または公式サイトなどからご確認ください。
・サケ釣り | kikyomaru 第18喜共丸
・釣り ウトロ 遊漁船 | 知床遊漁船永宝丸 | 斜里町 知床遊漁船永宝丸
⑤ 瀬渡し(半島先端の河口部まで船で移動)
羅臼側では、瀬渡し(渡船)で知床半島先端まで上陸して、釣りを楽しむことができます。
瀬渡しの良いところは、他の方法に比べて、カラフトマスを釣れる確率がかなり高いことです!うまく行けば、一人で連続して釣れる可能性もあります。
また、瀬渡しのもう一つの魅力が、知床の大自然や絶景を大満喫できることです。
獲物を釣ることも大事ですが、知床の自然に癒され、釣りの過程自体を楽しむことも、知床で釣りを楽しむ上で、大事な考え方です。
瀬渡しの雰囲気などは、以下のYouTube映像なども参考になるので、良ければご覧ください。
【北海道釣り旅】日本最後の秘境で釣りしたらパラダイスだった…【知床岬先端地区】#7
知床で、瀬渡しで上陸して釣りできる場所は、以下の「羅臼側の4箇所だけ」です。すべて相泊漁港から、明け方の暗いうちに出発します。
・滝の下
・クズレ滝
・ペキンの花
・モイレウシ
引用:英人丸ホームページより
瀬渡しの船会社は以下などがあります。最新の渡航状況などは、直接お問い合わせ、または公式サイトなどからご確認ください。
・Fish on 英人丸 (Facebook)
・知床瀬渡しクルーズ船 颯琉-そうる
・釣り船 将栄丸
サケ・マス釣りに関する規制、注意事項
知床の大切な財産であり、多くの地域住民や動植物の暮らしを支える、豊かなサケ・マス資源。
知床では、これらの持続可能な利用を目指すため、様々な法律や地域のルールが設けられています。
次にそのうち三つの重要な規制ルールをご紹介します。
規制ルール
① 北海道 水産局漁業管理課「Rule&Manner」
2024年に、北海道水産林務部の水産局漁業管理課が、北海道の遊魚に関するルールをまとめたフィッシングルール2024 「Rule&Manner」(Web版)を発行しました。
北海道全体の遊魚ルールに加え、知床(オホーツク海)サケ・マス釣りのルールや、河口付近等における採捕禁止区域一覧なども記載されており要チェックです。
② 斜里海浜サケ・マス釣りのローカル・ルール
斜里町では、サケ・マス資源を守るために、多くの協議が行われており、2024年には「斜里海浜サケ・マス釣りのローカル・ルール(暫定版)」が発表されました。
これらのルールに違反した場合は、関係法令と罰則に基づき罰則が与えられるため、必ず事前にルールを確認するようにしましょう。
③ 羅臼遊漁船部会自主ルール
船上釣り、瀬渡し釣りに関して、羅臼遊漁船部会が定めた、サケ・マス釣りに関する自主ルールがあります。
具体的には、以下のようなルールが定められています。
・営業は日帰り(12時間以内)宿泊なし
・船釣りはクーラーボックス一個以内
・渡船による沿岸河口部の釣りはサケ5匹以内、マス10匹以内
・釣り自体を楽しむ(スポーツフィッシング)
・渡船は4ヶ所(二本滝、滝ノ下、ペキンの鼻、モイレウジ)
・サケマス釣りの渡船は最長で九月末日まで
・魚卵のみの採集はNG(身も全て持ち帰る)
自主ルールの詳細については、環境省の「サケ・マス釣り」のページが参考になりますので、事前にご確認いただくことをお勧めします!
注意事項:ヒグマに餌を与えない
知床はヒグマが多く生息しており、近年は、釣り人が釣った魚を奪うことをヒグマが覚えてしまい、河口部の釣りを禁止せざるを得ない状況が続けて起きています。
サケ・マス釣りの際には、特に周囲を警戒し、ヒグマ出没時は荷物を残さず退避するなど、必ずマナーを守って行動してください。
その他、ヒグマと遭遇した時の行動などについては、知床財団の記事で詳しく説明されていますので、事前にチェックすることをお勧めします。
関連記事:【ヒグマ対策は万全に】知床でヒグマ遭遇率の高い有名観光地3ヶ所と遭遇時の対処法
いかがでしたか?今回は、知床でできる釣りの種類や注意点などをご紹介しました。
最後に、知床で釣りを満喫したい方へ、斜里町ウトロにある、知床第一ホテルを少しだけご紹介したいと思います。
知床での釣りは、慣れない地での移動や、早朝からの釣りなど体力も使うため、滞在先はなるべく釣り場からも近く、ゆっくり休める場所が好ましいです。
知床第一ホテルは、オホーツク海に面し、ウトロ漁港や釣りスポットからもアクセスがとても良いです。宿泊者限定のレンタカー30%割引を利用して、自由に移動を楽しむこともできます。
釣りを終えた後には、ホテル自慢の朝食と夕食バイキングで、知床の新鮮な食材を味わい、オホーツク海を眺めながら温泉に浸かる時間は、最高に癒されること間違いなしです。
また、ホテル内には、子供向けのプール、デザートバイキングなど、室内でも楽しめるスポットもたくさんあります。
例えばお父さんは釣りに行き、残りの家族は近くの観光地やホテル内でゆっくり楽しむなんて一日も、良いかもしれません。
もし知床で釣りを楽しみつつ、知床での滞在を存分に味わいたいとお考えになった方は、ぜひこちらから、ご予約状況を確認なさってください!
writer profile知床第一ホテルライター 辰濱
観光地巡りやグルメ探求が大好き。北海道の海の幸が大好物で、よく寿司を食べにいきます(いくらが大好物!)自然遺産の絶景やグルメなど、国内外から注目が集まる知床の魅力を、読者の皆さんにお届けしていきます!
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